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2019年11月16日土曜日

MEMO 2:縮小の時代に 広がる未来を考える

さて問題です!このグラフは何を表しているでしょうか?

まるでジェットコースターのようにぐぐっと一気に駆け上がり、そして、突如急落するこのグラフ、実は…



日本の人口のこれまでの推移と、これからの予測を表したグラフなのです。
※画像クリックで拡大
NHKスペシャル取材班『縮小ニッポンの衝撃』/講談社現代新書 p,45より)

おおよそ文明というものがはじまって以来、人口は飢饉、天災、戦争などで短期的に上下することはあっても、全体的に見れば増え続けてきました。それが、はじめて長期的な、そして急激な減少を向かえるという、とてつもなく特異な時代を、今我々は生きているのです。

そして実は、日本だけでなく、世界中の経済成熟国で同じことが起きているのです。

予測は予測、人口なんて自然現象なのだから、そのとおりにいくとは限りません。むしろだいたい予想だにしなかったことが起きるものです。
とは言え、のんきなことを言っていられる状況ではありません。人口の減少がもたらす影響は社会の隅々にまで及びます。
なぜなら、我々が「社会の発展」と呼んでいるものは、人口が増え続ける・・・・・ことを担保に成り立っていたからです。
人口の減少は、近代国家、資本主義を支えてきた、「成長し続ける経済」という信仰、神話が崩壊する瞬間でもあるのです。

当然、これまでの価値観、考え方で、同じように社会を運営していくことはできません。
 ”ここからの未来は、過去からの延長線上にはない”(河合雅司『未来の年表(講談社新書)』)のです。
ところがあまりに長いこと人口は増え続け、拡大と発展続きの社会だったために、我々の暮らしやしくみが、永遠の右肩上がりを前提とした構造になってしまっていて、それ以外の方法を誰も知らないのです。

実際には現状維持すらままならない右肩下がりの現実と、未だに永遠の右肩上がりの夢の実現を強要してくる社会構造。
我々現役世代は、そのギャップの中で苦しんでいるのです。

世界の国々は、今や地球というひとつの国の地方に過ぎないくらいに、身近に、関わり合うようになりました。
そんな地球規模、国家規模のような大人数の様々な人をまとめるには、共通の夢や主義やスローガンが必要になります。それが「永遠の経済の発展」でした。
そのスローガンがもう通用しないことが誰の目にも明らかとなった今、人類は、どんな夢に向かって歩みを進めてゆけばよいのでしょうか?
私達は今、地球規模で、社会の運営のあり方を根本から見つめ直さなくてはいけない時期にきているのです。

ある部分での縮小は避けられない未来ではあるけれども、そんな時代だからこそ、気づくことのできるもの、取り戻せる何か、広がっていく未来があるはずです。
それを探し出し、気づいたこと、学んだことなどをメモ書きしていきたいと思っています。
散文、乱筆、ゆっくり更新お許しくださいませ。
そして、皆様のご助力のほど、よろしくお願い致します。